聴覚障害のあるお客さまにとって〈心のバリアフリー〉の宿であるために
こんにちは、安住庵・支配人の渡邊です。
当庵にはたまに聴覚障害のある方にお泊りいただきます。
健聴の方がご一緒の場合は問題ありませんが、そうではない場合はほとんどが事前にその旨をお知らせ下さいます。
そうしていただくことで事前にホワイトボードを用意。
当日は筆談で受け応えをするようにしています。
先日もお泊りいただいたお二人のうち男性に聴覚障害が。
実はこの方当庵に来られるのが5回目で、以前は一人旅でお越しいただいていました。
2017年から毎年(年に2回の年も)ご利用いただいていたのですが、コロナ禍の中予約をいただいても感染者が増えたりしてその都度キャンセルを余儀なく。
なかなか叶わなかったようですが、今回約4年ぶりの来訪です。
久しぶりにお会いしていろいろとお話を聞いていると、当庵に「ずっと来たくてしょうがなかった」という嬉しいお言葉。
以前お越しいただいた際には、手話に興味がある高校生や看護師を目指して学校に通っていた男性のアルバイト、そして漫画家を目指して独学で勉強しているパートさんが、それぞれ一生懸命ホワイトボード等を使ってコミュニケーションを取っていました。
手話のできるスタッフがいるわけでもないですが、こういう姿勢がこの方にとっては居心地が良く感じていただけているのかなと思っています。
また来たい宿だと思っていただける根っこのような気が。
このリピーターさんは聴覚障害者協会の役を担っていて、さまざまなボランティア活動をなされているとか。
ホワイトボードよりも便利で手軽なこんなグッズをいただきました。
かわいいキャラクターで描かれた基本的な手話のイラストも。
聴覚障害の方とここまで長々と会話をすることはあまりありませんが、いろいろと考えさせられる再会となりました。
以前のブログ【《テレビの字幕放送機能》恥ずかしながらその重要性に気付いていませんでした】でもご紹介したキヅキ。
発信ができにくい方にはこちらからお声がけする。
隔たりを感じさせないよう〈心のバリアフリー〉を意識して接する。
今月末には同じ状況の別のリピーターさんが来られますので、このことを大切に思いお迎えしたいと思います。
追記:帰りがけにふと気になっていたことを尋ねてみました。
「手話は各国同じ表現ですか?」
「いえ、それぞれのお国の表現があります。世界共通なのは親指、人差し指、小指を立てて表現する『I LOVE YOU』だけです」
とても素敵な事実を知って感動でした。