宿での断水トラブルで感じた感謝の気持ちと教訓
こんにちは、なごみ宿安住庵・支配人の渡邊です。
この間のGWの真っ最中、宿で断水するという事態がありました。
お客様のお夕食が済み、後片付けもほぼ終わったころ、「部屋の水が出ないんですけど」という内線電話が。
「まさか」と思いながらも屋上の受水槽をチェックすると、まったく水が溜まってないのです。
頭が真っ白になりながらも、冷静に冷静にと現状把握に努めました。
当庵は城山の頂上に位置していますが、水道水ではなく山のふもとの水源地からポンプで井水をくみ上げているのです。
どうやら数日前の大雨で地盤がゆるみ、倒木が配管を破裂させてしまったようです。
夜中で申し訳なかったですが出入りの水道業者さんに連絡すると、これからではどうすることもできず、とにかく明るくなってから異常の箇所を見つけ対応するしかないとの返事。
それでも何とか受水槽に水を貯めることができないかと、まずは消防署に連絡してみると、水は取りに来てもらえれば渡すことは可能ですが、本当の火災以外では消防車を出すのは難しいとの事。
また、温泉を運んでくるタンクローリーは使えないかとか、四万十市の水道課に相談するなど、あらゆる方法を探ってみたのですが、結論としては水があっても地上から屋上にある受水槽へはポンプアップする機械が必要になるようで、それが用意できない以上は今はとにかくお客様の不自由な状況をどう対処するかを優先させることにしました。
飲料水はある程度の備蓄していたもので賄えましたが、最大の問題はトイレでした。
一般的なトイレは個別のタンクに溜まっている水を使用し、流れたら補充するという仕組みになっていますが、一回「大」で流すと、2リットルのペットボトルを3本程度使います。
普段はこれが自動供給されるので考えもしませんでしたが、自身で補給すると用意してあったペットボトルは次々に空になっていきます。
夜間は皆さまお休みになられるのでそれ程トイレの使用頻度は多くありませんが、また早朝から同じ作業を繰り返します。
コンビニに水を買いに行く者、消防署や隣の公園に水を汲みに行く者、トイレに水を補給する者。
私と女将と帰省中の娘の3人で手分けして夜中まで対応し、結局この6本入りのペットボトルを8箱位使いました。
温泉は別系統でしたので浸かる分には問題なく、またお米を炊いたりするお水は確保していたので、朝食面でもご不便を強いることはありませんでした。
結局水道業者さんと、四万十市の水道課の方のご尽力により、翌日午後2時頃には復旧できました。
不幸中の幸いで、何とかご不便を最低限に抑えることができたと思っています。
GW中にも関わらずご対応いただいた方に本当に感謝です。
さて、こんなトラブルの中にも嬉しい出来事もありました。
ご逗留いただいていたお客様はご不便をお感じになられたことは間違いないにも関わらず、チェックアウトの際には励ましのお言葉をおかけいただいたのです。
お叱りを受けて当然の中、応援と労いの言葉を頂戴し、胸が熱くなるとともに感謝の気持ちでいっぱいになりました。
本当にありがとうございます。
それでもこのようなトラブルを「旅のハプニング」として「こんな事もあったな」と思い出としていただけるのであれば、それでもまた当庵にお越しいただけた際には今回のトラブルを挽回するおもてなしができるよう頑張ります。
災害時でもトイレ問題の重要性を耳にすることはありましたが、今回それを身をもって体感しました。
飲料水はある程度の備蓄で当面は何とかなりますが、トイレの水の使用量はハンパないです!
各トイレにポリタンクに水を貯めて置いておくとか、いざという時に上水道と切り替えるようにできないかとか、今後の対策としていろいろなことが考えられます。
完璧な方法はないかもしれませんが、少しでも不安を減らすよう「備えあれば憂いなし」です。