眼下に広がる壮大な景色は城山の頂上まで上がってきたご褒美
こんにちは、安住庵・支配人の渡邊です。
当庵へ向かう為には山道の細い遊歩道を上っていくことを前回のブログでもご紹介しましたが、そもそも当庵は四万十市中心部にありながら少々特殊な立地になっているのです。
当庵は中村城址のある城山の山頂に位置しており、城跡には現在の四万十市郷土博物館があります。
その周りは為松公園となっていて、かつては動物園や遊具などもあって市民の憩いの場であったようです。
桜の名所である為松公園は時期になるとなかなかの人出がありますが、通常はウォーキングや犬のお散歩をされている方位なのでとても閑静な環境となっています。
この中村城(かつては為松城ともいった)は、1468年応仁の乱を避けて中村(現四万十市)に下国した前関白・一條教房以降五代の城であって、現在の市役所周りの中心街である武家屋敷や町屋を見下ろすようになっていました。
一條家の四家の家老のうち「安並(尾﨑)」は、遡っていくと当庵の代々のご先祖という事になります。
この城山はほとんどが四万十市管理となっていますが、そんな所以からなのか当庵の建つ敷地は民間所有となっていて、60年近く前に宿を始めることになったとか。
当時は四万十川も全く全国区になっておらず、駅もない時代だったので、実際のところは定かではありません。
緑のアーチを抜けていく途中ご不安を覚えることもあるかもしれませんが、頂上まで登りきるとそこは異空間。
当庵はそんな周りに何もない一軒宿です。
周りからの目を気にすることなく露天風呂は開放感あふれ、ヌメリ感のある新安並温泉にゆったりと身を委ねれば、季節により鳥の声や虫の音等花鳥風月を五感で感じることができます。
目の前をトンビが悠々と飛んでいくことも。
また、周りに人工の光がないこともあり、晴天時には屋上展望台から綺麗な星空をご覧いただけます。
にぎやかな繁華街を好まれる方には不向きでしょうが、ゆっくりとしたひと時をお過ごしになりたい方には最適で、エリア内随一かと自負しております。
中村城と同じくらいの高さである当庵の客室の中でも特別展望室『月光』からは、四万十の町と川を眼下に見下ろすことができます。
時の城主と同じ目線で何か思いを馳せてみてはいかがでしょうか。
時には雲海を望むこともできますよ。