安住庵オリジナルポストカードを毎年「切り絵」で造っています
こんにちは、安住庵・支配人の渡邊です。
当庵では毎年オリジナルポストカードを制作しています。
年頭のご挨拶状からその後もお礼状用にと、1年に亘り使うものなのですが、翌年の干支をモチーフにどんなのを作ろうか、今時分になるとだんだん焦りの気持ちが強まってきます。
十数年ライフワークにように続いていますが、それはそれは毎年「生みの苦しみ」という感覚を味わっています。
かつては絵の具で描いてみたり、筆を使って墨絵にしてみたり、その年により変えていましたが、ここのところはもっぱら「切り絵」に定着。
やり始めると結構一息で仕上げてしまうのですが、構想段階が楽しくもあり苦しくもあり。
干支だけは決めているので、そこにどのようなテーマ性をもって進めていくかを悩んでいます。
過去の作品をいくつかご紹介。
≪2012年 モチーフ「辰」≫
前年には未曾有の東日本大震災があり、日本中がパニック状態になったことを受け、「こんな時こそ浮足立たずにどっしり構えよう」というメッセージを込めて。
辰が四股を踏んでいる様子で表現しました。
≪2016年 モチーフ「申」≫
「見ざる聞かざる言わざる」のご存じ三猿の逆バージョンをテーマにしました。
周りの様子をよく「観て」、人の意見をよく「聞き」、自分の考えをしっかり「言う」。
こうありたいという自分自身へ鼓舞するつもりで作りました。
≪2022年 モチーフ「寅」≫
推しのプロ野球チーム「阪神タイガース」が真っ先に浮かんだのは当然の事。
「タイガーマスクを着けた謎の覆面選手」というテーマ。
世界で飛躍する日本の宝・大谷翔平選手が、いつの日か阪神タイガースに来てもらえないだろうかという、突拍子もない願望からグローブには「OHTANI 17」と入れました。
その前の年に惜しくも優勝を逃したタイガースに「今年こそ」の想いの他、「今度こそ」コロナ感染拡大が終息しますようにとの願いを込めて。
その他の作品はコチラ。
≪そして明くる年 2023年 モチーフ「兎」≫
来年は私自身も年男ということもあり、どんな兎にしようか目下のところ思案中。
還暦という節目の年でもあり、例年より一層頭をひねってしまいます。
私の切り絵は大体のメインとなる構図を決めて、そこに数種類の千代紙を切って貼って、試行錯誤しながら作っていきます。
制作を進めながら「こうした方がいいかな」「やっぱりこっちかな」とさんざん悩み、完成した後でも「あ~こうすべきだった」と後悔することもしばしば。
最終形はキリがなく、考えれば考えるだけわからなくなってしまうのです。
今回も何となくイメージはできていますが、まだまだ形にまではなっていません。
さてさてどんな風になるのか私自身も楽しみにしています。
このポストカードは、2回以上ご利用の方には定期的にお出ししていますが、過去のものもご自由にお持ちいただけるよう館内に設置しています。
ハガキを出す機会などめっきり減っている昨今。
親しい人やご無沙汰してしまっている人へ、久しぶりに旅先からお便りなど出してみてはいかがでしょうか。