影絵作家・藤城清治さんの2024年カレンダーが届きました
こんにちは、安住庵・支配人の渡邊です。
影絵作家の藤城清治さんが、デッサン旅行で当庵にお越しいただいたのが2010年のこと。
以来、毎年ご丁寧にオリジナル特製カレンダーをお送りいただいていて館内に飾らせていただいています。
毎年この時期になるのが待ち遠しく、楽しみの一つになっています。
子供のころテレビ番組で観ていた〈ケロヨン〉の原作者だったのは、ご宿泊したときになって初めてわかったこと。
2泊された当時、朝出発し暗くなるまで四万十川周辺や足摺岬など精力的にデッサンされたようで、疲れ果ててお帰りになったのをよく覚えています。
でもお食事もよく召し上がられ、特に甘いものには目がないとか。
後日高知市で行われた展覧会にも訪れ圧倒的な衝撃を受けてきました。
それから10年以上も経った昨年突然のご連絡が。
当時展覧会の時はまだデッサンの状態だった〈四万十川の鯉のぼり渡し〉の制作に取り掛かるのに、位置関係の記憶があいまいになってしまったとの事。
四万十町の十川(とおかわ)のことなのはすぐにわかり、写真集などの資料をお渡しすることにしました。
そんなやり取りも忘れていた数カ月後、藤城清治美術館から届いた大きな荷物。
開封してみると、四万十川を渡っている鯉のぼりの完成した版画が。
何百匹もの色鮮やか鯉のぼりのうろこ一枚一枚を丁寧に表現されていて、それはそれは圧巻の一言です。
早速サイズに合わせた額を特注し、装丁してロビーに展示することにしました。
その新作に合わせて、連載している雑誌にはありがたいことに当庵のこともご紹介いただくなど至れり尽くせり。
藤城さんは御年100歳。
今なお現役でバリバリご活動されていて本当に頭が下がる思いです。
とても比較するようなものではありませんが、私などは毎年のポストカードひとつにしてもひいこら言っているのが恥ずかしいです。
おいくつになっても童心を持ち続けていられることが、作品にありありと写し出されていますね。
カレンダーは1カ月1枚で12枚セット。
毎月新しい1枚を出すことを楽しみに、併せて古い月の1枚を仕舞うことになってしまう寂寥感を味わっています。
独特の世界感に魅了されることは老若男女誰しも同じ思いだろうと思います。