四万十市のおとなり三原村は「どぶろく特区」です
こんにちは、安住庵・支配人の渡邊です。
高知県西南部、幡多6市町村のひとつに三原村があります。
四万十市に隣接し、幡多エリアの中の真ん中に位置する一番人口の少ない山村集落の三原村。
ここの名産品のひとつとして「どぶろく」があります。
日本酒を醸造する過程で、お米を発酵させた「もろみ」を漉さないでそのまま飲むのが「どぶろく」。
このもろみにはお米の栄養素がたくさん詰まっていて、どぶろくはそれをそのまま摂取でき酒飲みの間では昔から親しまれてきたお酒です。
三原村は豊かな水資源があり、昔から「三原米」などお米の産地としての歴史があることから、平成17年からどぶろくの製造を始めたようです。
お酒造りにおいて、ある程度の醸造量がなければ許可が出ないところ、「どぶろく特区」は量が少なくても自身の農家民宿や農家レストラン、または地域の特産品として首長などが指定した場合には特例として認められるという地域のこと。
このようにして現在は7軒の農家がそれぞれこだわりをもったどぶろくを製造販売しています。
どぶろくについては昔から密造酒のようなイメージも持たれているようで、それを払拭させるために最近ではどぶろくを使ったスイーツやカクテル造りなど、より身近なものに感じてもらえるよう力を入れているようです。
当庵ではこの三原村の数種類のどぶろくの中から「元代(げんだい)」をご用意しています。
甘すぎず辛すぎず、どぶろく初心者でも呑みやすいタイプかと思います。
どぶろくは常温では発酵が進んでしまうので、立てて冷蔵保存しなければなりません。
下の方にもろみが沈殿しているので、呑むときにゆっくりと上下逆さにしてそれを混ぜるようにします。
強く振ったり、一気に栓を開けると噴きこぼれることがあるのでご注意を。
こうして呑むのが一般的ですが、製造元の齊藤さんに教えてもらった私のお気に入りをおススメを紹介します。
まず、酒ともろみが分離している状態の上積みを少々いただきます。
ほんのりともろみを味わう「酒臭くない日本酒」という感じです。
次に上記のように攪拌して通常通りいただきます。
どぼどぼともろみもグラスに注がれ、一般的などぶろくの味わいを感じられます。
そしてその後は、どぶろくを炭酸水で半々くらいに割っていただきます。
もろみがしつこく感じてきたところをさっぱりとカクテル感覚となります。
日本酒は吞んだことない抵抗感のある方にもとても呑みやすい方法ではないでしょうか。
もろみの持つ栄養素も摂れるどぶろくは、お食事の際のアルコールとして適していると思います。
当庵の夕食メニューのメインである魚介にも良く合い、特に女性にお試しいただきたいですね。
今年11月には、土佐の豊穣祭のひとつ「三原村どぶろく農林文化祭」が、3年ぶりに開催の予定です。